ディスプレイ広告って、なんとなく聞いたことはあるけれど、「実際にはどこに出るの?」「検索広告と何がちがうの?」と疑問に感じたことがある方も多いでしょう。
画像や動画のかたちでWebサイトやアプリに表示されるディスプレイ広告は、まだ商品やサービスを知らない人に知ってもらいたいときにぴったりな広告です。
検索していない人にも届けられるという強みがあり、認知を広げたいときや、一度サイトを訪れた人に思い出してもらいたいときに効果を発揮します。
この記事では、ディスプレイ広告の概要や種類、費用の目安などを分かりやすく解説します。これから広告配信を始めたいと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
ディスプレイ広告とは|認知拡大に効果的なWeb広告

ディスプレイ広告とは、Webサイトやアプリの中に、画像や動画などのビジュアルで表示される広告のことです。ニュースサイトやブログ、スマホアプリなど、さまざまな場所に表示され、視覚的にユーザーの注意を引けるのが特徴です。
とくに、まだ商品やサービスを知らないユーザーにも情報を届けられる点が大きな強みです。検索行動に関係なく表示できるため、「認知を広げたい」と考える企業にとって非常に効果的な手法です。
また、視覚的なインパクトが強いのも魅力のひとつです。バナー画像や動画などを活用することで、関心のなかったユーザーの目にも自然と留まりやすく、記憶にも残りやすくなります。
なお、Web広告にはいくつかの種類があり、目的に応じて使い分けることが重要です。たとえば、リスティング広告は検索結果に表示される形式で、「今すぐ買いたい」というニーズに応えるのが得意です。一方、SNS広告は共感や拡散をねらったアプローチに向いています。
その中で、ディスプレイ広告は「まず知ってもらう」ことに特化しており、検索やSNSを使っていない層にも届けられるため、より広いユーザーにアプローチできるのが強みです。
ディスプレイ広告の主な種類

ディスプレイ広告には多様な種類があり、それぞれ形式や特徴が異なります。
ここでは代表的な「バナー広告」「レスポンシブ広告」「動画広告」について解説します。
バナー広告:画像形式の広告
バナー広告は、Webサイトやアプリ上に表示される画像形式のディスプレイ広告です。静止画を使ったシンプルなものが基本ですが、アニメーションやHTML5形式を活用することもできます。
表示場所は、ページの上部や下部、サイドバーなど、ユーザーの視線に入りやすい位置が一般的です。広告枠のサイズもさまざまで、掲載メディアや配信先に応じて最適なフォーマットを選べます。
画像の中にテキストやロゴ、写真を組み合わせて情報を伝えるため、視覚的に訴求できるという点が大きな特徴です。ディスプレイ広告の中でも、比較的制作しやすく、幅広い用途に使われています。
レスポンシブ広告:自動で対応する広告
レスポンシブ広告は、広告枠に応じて表示形式を自動で最適化する広告タイプです。広告を作成する時に見出しや説明文を登録するだけで、手間をかけずに複数のデバイスや画面サイズに対応した広告が配信されます。
ウェブサイト、アプリ、YouTubeなどに表示され、ユーザーにとって最も関連性の高い組み合わせが自動でカスタマイズされます。
複数の見出しと説明文を登録しておくと、さまざまな組合せで何度もテストされ、最も効果的な広告が作成できる点が特徴です。幅広い広告枠に対応できるため、表示回数を増やすことができ、初心者でも扱いやすい広告です。
動画広告:訴求力の高い広告
動画広告は、音声や映像を活用して情報を伝える広告形式で、感情に訴える訴求が得意です。YouTubeをはじめとした動画プラットフォーム内や、Webサイト内の動画プレーヤーに配信されます。
この広告の最大のメリットは、視覚と聴覚に同時にアプローチできることです。映像と音声を組み合わせることで、多くの情報を効果的に伝え、強いインパクトを与えることができます。
動画広告は市場が急成長しており、多くの企業が採用しています。
最近ではYouTubeだけでなく各種SNSへの参入も増えていて、多くの媒体で配信されています。
【コスト】ディスプレイ広告の費用体系

ディスプレイ広告の費用は、クリックごとに課金される「CPC」や、表示回数に応じて課金される「CPM」など、目的に応じた課金方式で決まります。
媒体ごとの課金方式と費用の目安は、下記のとおりです。
配信媒体 | 課金方式 | 費用感 |
---|---|---|
Googleディスプレイ広告(GDN) | クリック課金 インプレッション課金 | 50~100円/クリック 10円~数百円/1,000回表示 |
Yahoo!ディスプレイ広告(YDN) | クリック課金 インプレッション課金 | 50~100円/クリック 10円~数百円/1,000回表示 |
YouTube広告 | クリック課金 | 3~20円/クリック |
ディスプレイ広告の月額費用は、少額のテスト配信であれば10万〜20万円程度から始めることも可能です。しっかり効果を出すには、数十万円〜100万円以上の予算をかけるケースもあるでしょう。
費用を無駄にしないためには、広告の目的やターゲットに合った媒体と課金方式を選ぶことが大切です。
どこに表示される?ディスプレイ広告の主な配信媒体

ディスプレイ広告は、さまざまな場所に表示されることで幅広いユーザー層にアプローチできます。
代表的な配信媒体は、下記の3つです。
- Googleディスプレイネットワーク(GDN)
- Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)
- Facebook・Instagram広告(Meta広告)
媒体ごとに特徴が異なるため、ターゲットや目的に応じて使い分けることが大切です。それぞれの媒体について紹介します。
Googleディスプレイネットワーク(GDN)
GDN(Googleディスプレイネットワーク)は、Googleが提供する広告配信ネットワークです。世界中のWebサイトやアプリ、YouTube、Gmailなど、幅広い提携先に広告を表示できるのが特徴です。
広告は、バナー・レスポンシブ・動画広告など多様な形式に対応しており、PC・スマートフォンを問わず、さまざまな画面に柔軟に掲載されます。また、掲載先が非常に多いため、ユーザーの興味関心や閲覧行動に合わせて、最適な場所へ配信できる柔軟性も魅力です。
配信面の広さとカスタマイズ性の高さを両立した代表的な広告媒体として、多くの企業が活用しています。
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)
YDN(Yahoo!ディスプレイアドネットワーク)は、Yahoo! JAPANのポータルサイトやニュース、天気、ファイナンスなどの関連サービス、提携メディアに広告を配信できるネットワークです。
日本国内での利用率が高く、特に30代以上のユーザー層に強い訴求力を持っているのが特長です。広告はバナーやレスポンシブ形式で、PC・スマートフォン問わず幅広いデバイスに対応しています。
日本語対応に優れた管理画面やサポート体制も整っているため、国内向けのプロモーションに適した媒体として多くの企業に活用されています。
Facebook・Instagram広告(Meta広告)
Meta広告は、FacebookやInstagramなど、Meta社が運営するSNS上に広告を表示できる広告媒体です。タイムラインやストーリーズ、リールといったコンテンツに自然に溶け込む形式で表示される特徴があります。
主な利用者は10〜40代のSNSアクティブユーザーで、ビジュアルや動画コンテンツとの相性が良く、興味関心ベースでのアプローチに強みがあります。
広告は画像・動画・カルーセルなど多彩な形式に対応しており、趣味や属性に応じた細かなターゲティングが可能です。
SNS上で日常的にユーザーと接点を持てるため、認知から関心、比較・行動までを一貫して促せる媒体として、多くの企業が活用しています。
ディスプレイ広告のメリット

ディスプレイ広告の代表的なメリットは、以下の3つです。
- 認知拡大・潜在顧客への訴求が得意
- 視覚的なインパクトが強い
- リターゲティング(再訪問促進)が可能
広告の効果を最大限に引き出すためにも、メリットをしっかり押さえる必要があります。それぞれ詳しく見ていきましょう。
認知拡大・潜在顧客への訴求が得意
ディスプレイ広告の大きな強みは、まだ商品やサービスを知らない「潜在層」へのアプローチができることです。
自分から積極的に検索をしていないユーザーにも、Webサイトやアプリを閲覧中に広告が表示されるため、自然な形でブランドや商品の存在を認知してもらえます。
明確なニーズを持っていない段階でも、ユーザーでも、広告をきっかけに「こんな選択肢があるんだ」と気づいてもらえる可能性があり、将来的な購入や検討につながる入り口をつくることができます。
こうした、「すぐに行動しないけれど、将来の顧客になりうる層」に情報を届けられるのは、ディスプレイ広告ならではのメリットです。
視覚的なインパクトが強い
ディスプレイ広告では、画像や動画などの視覚的な表現を活用できることも大きな特徴です。
色や構図、アニメーションなどの工夫によって、ユーザーの目を引き、ブランドのメッセージを直感的に伝えることができます。
テキストだけでは伝わりにくい魅力も、ビジュアルによって印象づけやすく、興味のなかった層の関心を引きつける効果も期待できます。
このように、視覚に訴える力が強いことは、ディスプレイ広告ならではの大きなメリットです。
リターゲティング(再訪問促進)が可能
ディスプレイ広告には、一度自社サイトを訪れたユーザーに対して、後から広告を再表示できる「リターゲティング機能」があります。
たとえば、商品ページを見たものの購入には至らなかったユーザーに対して、後日、関連する広告を表示することで、再訪や購入を促すことができます。
広告に一度触れただけで行動に移す人は多くありませんが、何度か広告を目にすることで関心が高まり、最終的なコンバージョンにつながる可能性が高まります。
ディスプレイ広告のデメリット

ディスプレイ広告には多くのメリットがある一方で、下記のようなデメリットも存在します。
- 即効性が低い
- 効果測定が難しい
- 広告費を消耗しやすいケースがある
ここでは、運用前に知っておきたい3つのデメリットについて、わかりやすく解説します。デメリットを理解したうえで対策を立てれば、より効果的な広告運用につながります。
即効性が低い
ディスプレイ広告は、商品やサービスをまだ知らない“潜在層”へのアプローチに向いている広告手法です。そのため、広告を出してすぐに問い合わせや購入といった行動につながるケースは多くありません。
あくまで「興味を持ってもらう」「思い出してもらう」といった認知段階の働きかけが中心になるため、即効性を求める施策にはあまり向かない側面があります。
短期的な成果を重視する場合は、検索広告やSNS広告などとの併用を検討することが効果的です。
効果測定が難しい
ディスプレイ広告は、視覚的な印象や記憶への残りやすさを重視するため、効果を数値で明確に測るのが難しいという側面があります。
クリック率やコンバージョンだけでは見えにくい「間接的な影響」も多く、広告の成果を正確に把握するには複数の視点からの分析が必要です。
さらに、画像や動画などのクリエイティブ要素が多いため、何が成果に影響したのかを特定しづらい点も課題となります。
そのため、明確な目標設定と、複数の指標を組み合わせた分析スキルが求められます。
広告費を消耗しやすいケースがある
ディスプレイ広告は、表示回数が多く幅広い層にリーチできる反面、広告費の消化が早くなりがちです。適切なターゲティングがされていないと、関心の薄いユーザーにも広告が表示され、費用対効果が下がる恐れがあります。
また、配信設定やクリエイティブに工夫がない場合、成果につながらないままコストだけが消費されるリスクもあります。
こうした無駄を防ぐためにも、定期的な見直しと最適化が欠かせません。
ターゲティング手法の活用

ディスプレイ広告では、ユーザーの興味や関心、行動履歴、属性情報などをもとに、広告の配信先を細かく設定できるのが強みです。
以下は、代表的なターゲティング手法とその特徴です。
ターゲティング手法 | 特徴 |
---|---|
キーワードターゲティング | 特定キーワードと関連性の高いWebサイトやアプリ内で広告を表示 |
トピックターゲティング | 関心のあるテーマやカテゴリに関連するサイトやアプリに広告を表示 |
プレースメントターゲティング | 広告の掲載先となるWebサイトを指定して配信可能 |
インタレストターゲティング | ユーザーの興味・関心に基づいて広告を配信 |
ユーザー属性ターゲティング | 年齢・性別・地域・デバイスなど、属性に合わせて配信 |
これらの手法は単体でも使えますが、組み合わせることで精度の高い配信が可能になります。たとえば、「30代女性 × 美容関連サイト × スマートフォンユーザー」といった条件で、より狙った層に届けることが可能です。
広告の無駄打ちを防ぎ、限られた予算でもしっかり効果を出すためには、目的に応じたターゲティング設計がとても重要です。上手に活用することで、ディスプレイ広告の効果を大きく高めることができるでしょう。
ディスプレイ広告の運用ポイント

効果的なディスプレイ広告の運用には、以下のポイントを意識することが大切です。
- KPIの設定と目的の明確化
- ターゲットユーザーの選定
- 訴求力のあるバナー
- 動画の作成
- 配信結果の分析と改善
まず、広告の目的を明確にし、それに応じたKPI(例:クリック率・コンバージョン率)を設定しましょう。ディスプレイ広告は幅広い層へのアプローチが可能なため、配信する目的をしっかり決めておかないと、ターゲットや訴求内容にズレが生じてしまいます。「誰に何を訴求したいのか」「どのような結果を得たいのか」を最初に決めておくことが大切です。
次に、ターゲットユーザーを適切に選定することも成果に直結します。ユーザーの属性や興味関心、悩みなどをもとにペルソナを設計し、届けたい相手像を明確にすることで、より効果的な広告表現が可能になります。
また、クリエイティブ(広告素材)の質も成果を大きく左右する要素です。視認性の高いデザイン、わかりやすいメッセージ、ブランドイメージとの一貫性などを意識しながら、バナーや動画を制作しましょう。複数パターンを用意してABテストを実施し、より成果の出やすい表現を見極めていくこともポイントです。
最後に、広告配信後の分析と改善を忘れずに行いましょう。Google Analyticsなどのツールを活用して、KPIの推移やユーザーの行動データをチェックします。配信結果をもとに、ターゲティングやクリエイティブを調整することで、広告効果を継続的に高めることができます。
まとめ

ディスプレイ広告は、画像や動画などのビジュアルを使って、ユーザーの目に自然とふれることができる広告です。とくに、まだ商品やサービスを知らない人に知ってもらいたいときや、一度サイトを見た人にもう一度思い出してもらいたいときに高い効果を発揮します。
ただし、検索広告のようにすぐに行動につながるわけではないので、何を目的に広告を出すのかをはっきりさせておくことが大切です。
まずは、自社に合った配信先や伝え方を見つけるために、少ない予算から試してみましょう。
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