リスティング広告だけだと限定的なユーザーにしかアプローチできないことを知っていますか?
Web広告を運用しようと調べてみると「リスティング広告」と「ディスプレイ広告」というふたつの名前を見かけますよね。
この記事では、Web広告の中でも「ディスプレイ広告」について紹介します。
具体的には、
- ディスプレイ広告の基礎知識
- リスティング広告との違い
- メリット
- デメリット
- 運用におけるポイント
について紹介しています。
10分ほどで全て読める量になっています。時間がない方は、ぜひ気になる部分だけでもチェックしてみてください。
ディスプレイ広告とは?
ディスプレイ広告とは、Web広告のひとつで、画像や動画やテキスト広告のことです。バナーで表示されることが多いため、「バナー広告」と呼ばれることもあります。
コンテンツ連動型の広告であり、広告の枠があるWebサイトの内容に対応して表示されます。広告の枠はWebサイトのみでなく、スマートフォン用のアプリにもあります。広告枠が豊富なので、より多くのユーザーに広告を表示できます。
リスティング広告同様、料金体系は基本的にクリック課金制です。ユーザーに広告がクリックされない限り費用は発生しません。さらに、広告枠が大量に存在しているため、広告枠の取り合いになりにくいです。
広告枠の取り合いが少ないため、クリック単価は高額になりにくい傾向があります。
しかし、多くのユーザーが広告を目にしても、広告をクリックすることは少ない傾向にあります。購入や申込などの広告を掲載する目標であるコンバージョン(CV)を獲得しにくい広告です。
つまり、「多くのユーザーの画面に表示される+クリックされにくい=少ない費用で多くのユーザーに会社や商品・サービスを知ってもらうことができる」ということです。
ディスプレイ広告は基本的に会社や、商品・サービスを知らない人に知ってもらうことに適しているWeb広告です。
ディスプレイ広告の種類
ディスプレイ広告には「レスポンシブタイプ」と「バナータイプ」の2種類があります。
レスポンシブタイプ
画像や動画に加えてテキストを組み合わせる広告タイプです。
規定のサイズの画像や動画と見出しと説明文それぞれのテキストを作成しておくことで、ユーザーが使用している端末に合わせて自動で最適なサイズで広告を表示できます。

テキストを使用できるので、画像や動画は商品やサービスの特徴や売りが伝わるもののみで大丈夫です。具体的な説明部分はテキストで補足することができます。
バナータイプ
画像もしくは動画のみの広告タイプです。
テキストは使用しないため、見出しや説明文の作成は不要です。
ディスプレイ広告の多くはこのタイプです。画像や動画の中に必要な情報を全て詰め込んでいるので、ひと目見るだけで、広告の概要を把握できます。

バナータイプの場合、各広告枠に合わせたバナーの作成が必要です。広告枠に合わせたバナーのサイズ調整を行うなどの手間を省きたい場合は、レスポンシブタイプを活用しましょう。
ディスプレイ広告が掲載される媒体
ディスプレイ広告は主にGoogleとYahoo!の2つの媒体に掲載される広告です。もうひとつ大きな媒体としてYouTubeがあります。そちらは別の機会に説明しますね。
今回はGoogleとYahoo!について、それぞれを簡単に紹介します。
ディスプレイ ネットワークとは
Google 広告を掲載できる 200 万以上のウェブサイトや動画、アプリの総称です。ディスプレイ ネットワーク上のウェブサイトを通して、世界中のインターネット ユーザーの 90% 以上に広告を表示できます。
引用元:Google広告ヘルプ
Googleの関連サービスだけでなく、一部のアプリや個人が運営しているWebサイトへも広告を掲載できます。
幅広いユーザーにアピールしたい場合、GDNの使用がおすすめです。
GDNの掲載メディア(一部抜粋)
- Google Finance
- Gmail
- Blogger
- YouTube
- Googleと提携している各スマホアプリ
Yahoo!
Yahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)と呼ばれる、Yahoo!のサービスです。
Yahoo!広告は、Yahoo! JAPANをはじめ、ヤフーと提携したパートナーおよび 広告配信サービスを経由して多様なメディアに配信しております。
Yahoo!と関連しているサイトに広告を配信できます。
朝日新聞DIGITALへも広告を掲載できますので、新聞を購読している層へアピールしたい場合におすすめです。
YDNの主な掲載メディア(一部抜粋)
リスティング広告との3つの違い
Web広告と聞いたとき、リスティング広告を思い出す人は多いのではないでしょうか。
検索連動型の広告であるリスティング広告を、検索エンジンを利用する際に見る人も多いでしょう。
ここでは、リスティング広告とディスプレイ広告の違いについて紹介します。
リスティング広告については別の記事で詳しく紹介していますので、こちらも読んでみてください。
広告の掲載場所
リスティング広告とディスプレイ広告の最大の違いは広告の掲載場所です。
リスティング広告は検索結果に表示されますが、ディスプレイ広告は、Webページの広告枠に表示されます。
リスティング広告もディスプレイ広告も広告をクリックすると広告を出稿している会社のランディングページに遷移し、情報を知ることができたり、商品やサービスを購入・申込することができます。
リスティング広告は検索結果に表示されるテキストベースであることが多く、ディスプレイ広告は広告枠のあるWebサイトにバナー画像を表示させることが多いです。

アプローチできるユーザー層
リスティング広告とディスプレイ広告では広告を配信することでアプローチできるユーザー層が異なります。
リスティング広告でアプローチできるユーザーは「顕在層」と言われています。
ユーザーがキーワードを入力して検索した結果に広告を表示させるため、リスティング広告を見るユーザーは始めから商品やサービスへ興味を持っている見込み顧客(リード顧客)である可能性が高い層です。
しかし、顕在層になればなるほどユーザーの人数が絞られていくため、顕在層は絶対数が少ないと言えます。
ディスプレイ広告でアプローチできるユーザーは「潜在層」と言われています。
ユーザーが検索をする前の画面にも広告を表示させることができるため、基本的には商品やサービスを知らないユーザーが目にする機会が多くなります。ディスプレイ広告を見るユーザーは、基本的に将来の顧客になる可能性がある層です。
潜在層は、ユーザーが絞り込まれていない状態ですので、多くのユーザーに広告を表示させることができます。

広告クリエイティブ(作成するコンテンツ)
リスティング広告とディスプレイ広告では広告として作成するコンテンツが異なります。
リスティング広告の場合、テキストタイプになりますので、広告クリエイティブは「テキスト」のみです。会社や商品・サービスへ既に興味を持っているユーザーにアピールする場合に強いクリエイティブタイプになっています。
ディスプレイ広告の場合、画像や動画やテキストと、いくつかのタイプを選ぶことができます。広告クリエイティブは「画像」「動画」「テキスト」から選ぶことができます。会社や商品・サービスをまだ知らないユーザーへ、視覚的にアピールする場合に強いクリエイティブタイプも選ぶことができます。
このように、リスティング広告とディスプレイ広告には大きな違いがあります。リスティング広告とディスプレイ広告の特徴や強みを理解した上で活用していきましょう。
費用はクリック課金制とインプレッション課金制
ディスプレイ広告とは?の部分でも少し説明しましたが、ディスプレイ広告は「クリック課金制」が基本になっています。「クリック課金制」が基本のため、広告がユーザーにクリックされない限り費用は発生しません。
基本的には「クリック課金制」ですが、ディスプレイ広告には「インプレッション課金制」というもうひとつの費用体系があります。
- クリック課金制
- インプレッション課金制
それぞれ詳しく説明します。
クリック課金制
クリック課金制では、リスティング広告と同様に、広告がクリックされるごとに費用が発生します。
ユーザーに広告がクリックされない限りは費用が発生しないため、「知ってもらう」ことを目的にする場合におすすめの料金体系になります。
ディスプレイ広告は1回のクリックにかかる費用(CPC)は基本的に低価格です。
unilaboによると、ディスプレイ広告のCPCは50円〜100円と言われており、毎月の予算相場は20万〜50万円と言われています。
ディスプレイ広告もリスティング広告と同様に、オークション形式で費用が決定しますので、広告ランクによって大きく費用が変わる可能性があります。この予算相場はあくまで目安の金額です。商品やサービスによっては多額の費用が発生することもあります。
インプレッション課金制
インプレッション課金制では、広告が表示される回数に応じて費用が発生します。1回の表示ごとに費用が発生するのではなく、1,000回の表示ごとに費用が発生することが特徴です。
クリック課金制と違い、クリックされた回数では費用が変動しません。そのため、ディスプレイ広告でも多くクリックされることがある広告を掲載したいときにおすすめの料金体系になります。
unilaboによると、インプレッション1,000回ごとに数十円〜数百円が相場と言われており、クリック課金制と同じく毎月の予算相場は20万〜50万円と言われています。
20万〜50万円という予算相場の金額もあくまで目安です。商品やサービスによっては多額の費用が発生することもあります。
広告のクリック率やインプレッション率によって料金体系は柔軟に変更できます。取り扱っている商品やサービスによって適した料金体系を選択するようにしましょう。
【参照元】アイミツ|ネット広告の費用と料金相場【2022年最新版】
ディスプレイ広告の3つのメリット
リスティング広告との違いの部分でも少し触れましたが、ディスプレイ広告のメリットは大きく分けて3つあります。
- まだ会社や商品・サービスを知らない潜在層のユーザーにアピールできる
- 1回のクリックにかかる費用(CPC)が安い
- リマーケティング・リターゲティングができる
それぞれ説明します。
まだ会社や商品・サービスを知らない潜在層のユーザーにアピールできる
まず、最大のメリットはまだ会社や商品・サービスを知らない潜在層のユーザーにアピールできることです。多くのユーザーに広告を表示させることで、ブランディングとしての効果も期待できる広告です。
広告に画像や動画を用いるため、ユーザーの視覚に訴えかけることが可能です。テキストのみの広告よりも目に入りやすく、知ってもらうきっかけになることができます。
また、コンテンツに合わせて表示されるため、会社や商品・サービスのことは知らないが、元々そのジャンルに興味があるユーザーに表示させることができます。
ジャンルに関心がある潜在層のユーザーへアピールすることで、潜在層のユーザーから見込み顧客(リード顧客)を獲得することも可能です。
例えば、たぬきの生態を調べているユーザーが検索結果で表示されたコンテンツを閲覧するとしましょう。
元々たぬきへ関心がある状態で、たぬきグッズ通販のディスプレイ広告が表示されると「こんなものもあるんだ」と広告をクリックしてもらいやすくなります。その広告に可愛らしい商品画像が使われていればより効果的に訴えかけることができるでしょう。
潜在層にアピールできるというディスプレイ広告の最大のメリットを上手く活用し、ブランディングやリードを獲得しましょう。
1回のクリックにかかる費用(CPC)が安い
費用の部分でも触れましたが、ディスプレイ広告はCPCが安い傾向があります。
CPCが安くおさえられる理由は、GoogleやYahoo!が保有しているディスプレイ広告の広告枠が膨大なためです。広告枠の取り合いになることが少ないため、比較的低価格での広告掲載が可能となります。
クリックされても多額の費用が発生しないため、より多くのユーザーに広告を表示させ続けることが可能です。
リマーケティング・リターゲティングができる
ディスプレイ広告ではリマーケティング・リターゲティングという機能を使用できます。
リマーケティングはGoogleディスプレイネットワーク(GDN)の機能で、リターゲティングはYahoo!ディスプレイアドネットワーク(YDN)の機能です。
リターゲティング・リターゲティング機能では、サイトを訪問したが、コンバージョン(CV)には繋がらなかったユーザーへ再度広告を表示させることができます。
一度サイトを訪問している=商品・サービスに興味がある
ということですので、興味を持っているユーザーに効果的に訴えかけることができるようになります。
コンバージョン(CV)にも繋がりやすくなる機能ですので、効果的に活用しましょう。
ディスプレイ広告のデメリット
ディスプレイ広告のデメリットは大きく分けて2つあります。
- コンバージョン(CV)に繋がりにくい
- 広告の分析が難しい
それぞれ説明します。
コンバージョン(CV)に繋がりにくい
ディスプレイ広告は基本的に会社や商品・サービスを知らない潜在層へアピールするために活用されますので、直接的なCVに繋がりにくい傾向があります。
ユーザーに知ってもらうことはできても、商品を購入したり、サービスの申し込みには繋がりにくいです。
多くのユーザーに知ってもらうことは可能でも、CVに繋がりにくいため、1つのCVにかかる費用が高額になる傾向があります。
広告の分析が難しい
ディスプレイ広告はリスティング広告と比べて分析が難しいです。
ターゲットとするユーザー層が幅広い上、画像や動画やテキストの組み合わせ方など、確認が必要なポイントが多く、どの要素によってコンバージョン(CV)に繋がっているのか判断することに時間や労力を要するためです。
分析が困難な場合は、広告の分析をサポートするツールの導入をおすすめします。
おさえておきたいディスプレイ広告の2つの運用ポイント
ディスプレイ広告でおさえておきたい2つの運用ポイントを紹介します。
目的を明確にする
ディスプレイ広告を運用する目的を明確にしましょう。
ディスプレイ広告は、「ブランディング」と「レスポンス」という2つの目的で運用されることが多いです。
ブランディング
ディスプレイ広告を使用することで、商品・サービスを知ってもらい、購入してみよう・問い合わせしてみようとユーザーに思ってもらうことが目的となります。
ブランディングを目的とする場合、知ってほしいユーザーを明確にし、広告を表示させるユーザーを絞り込む必要があります。
特定のサイトのみに広告を表示させる設定や、反対に特定のサイトには広告を表示させない設定も可能です。効率的に視覚へ訴えかけるために、画像や動画を用いることをおすすめします。
レスポンス
ディスプレイ広告をクリックしてもらうことで、商品の購入や、サービスへの申し込みをしてもらうことが目的になります。
レスポンスを目的とする場合、商品・サービスに関連のあるコンテンツを絞り込んで広告を表示させる必要があります。
たぬきの商品をアピールしたいのに、ねこの紹介をしているサイトに広告を表示させてもコンバージョン(CV)には繋がりにくいでしょう。
たぬきの商品をアピールしたい場合、絞り込む際に選択するべきコンテンツはたぬきを紹介しているサイトになります。
元々興味を持っているユーザーを絞り込むためにも、商品・サービスと関連のあるサイトへ広告を表示させることをおすすめします。
最適な広告クリエイティブ(作成するコンテンツ)を作る
ディスプレイ広告では、目的に応じて最適なクリエイティブを作成する必要があります。
上記で紹介した、運用の目的に合わせたクリエイティブを作成しましょう。
ブランディング(認知拡大目的)
ブランディングを目的とする場合、まずは「サイトを見てみよう」と思ってもらうことが必要です。興味がないユーザーに対して興味を喚起するために、宣伝色の薄い内容にすることがおすすめです。
ユーザーの印象に残るような、商品・サービスがひと目見てわかるような画像や動画で視覚的に訴えかけましょう。
レスポンス(成果獲得目的)
レスポンスを目的とする場合、ユーザーが商品・サービスを購入しよう・問い合わせしようと思って行動してもらうことが必要です。
「今すぐ購入する」や、「申し込みをする」など、ユーザーにしてほしい具体的な行動をひと目でわかるように記載しましょう。

まとめ
ここまでディスプレイ広告について紹介してきました。いかがでしたでしょうか。
ディスプレイ広告はリスティング広告とは違い、低価格のCPCで多くのユーザーに画像・動画・テキストを組み合わせた広告を表示できる広告です。
まだ会社や商品・サービスを知らないユーザーにアピールすることに向いています。表示させるコンテンツを絞り込むことで、CVを獲得することもできるため、しっかりと配信の設定を行いましょう。
目的を明確にし、目的に合ったクリエイティブを作成することが運用における大切なポイントになります。必ず目的を明確にし、目的に合ったクリエイティブを作成して効果的な運用を行いましょう。
株式会社ウェブサークルでは、ディスプレイ広告の運用代行も承っております。予算に応じた柔軟な対応も可能ですので、お気軽にご相談ください。