サイトアクセス数の調べ方を徹底解説|無料で自社・競合を分析する方法

サイト分析をしているメンバー

Webサイトの運営において、「どれくらいのユーザーが訪問しているのか」を把握することは、成果を出すための第一歩です。自社サイトの現状分析はもちろん、競合サイトのアクセス数を知ることで、マーケティング戦略の精度を大きく向上させることができます。

しかし、「サイトのアクセス数を調べる方法がわからない」「どんなツールを使えばいいの?」と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、企業のWeb担当者やブロガー、マーケターの方に向けて、サイトのアクセス数を調べる具体的な方法をわかりやすく解説します。無料で使える便利なツールを中心に、自社サイトと競合サイト、それぞれの調査方法をご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

目次

サイトアクセス数を調べる目的|自社と競合での違い

豆電球とPCをもつ男性たちのイラスト

サイトのアクセス数を調べる目的は、対象が「自社サイト」か「他社・競合サイト」かによって大きく異なります。サイトのアクセス数を調べる目的は、大きく分けて以下の2つです。

  • 自社サイト|改善点を見つける
  • 他社・競合サイト|市場での立ち位置を知る

それぞれ解説します。

自社サイト|改善点を見つける

自社サイトのアクセス数を調べる目的は、現状を正しく把握し、改善の方向を見極めることにあります。数字を追うだけでなく、その裏にあるユーザーの行動を理解することが大切です。

アクセスが集まっているページは「多くの人が求めているテーマ」を示し、離脱率が高いページは「改善が必要な部分」を教えてくれます。こうした差を見比べることで、強化すべきコンテンツや改善点が明確になるのです。

さらに流入経路を重ねて分析すれば、検索から訪れた人とSNSから来た人で行動の違いが見えてきます。ページ単体ではなく、訪問経路を含めて評価することで、より精度の高い改善につなげられるのです。

アクセス数の分析は、単なる数値確認ではなく、ユーザーのニーズを読み取り、次の具体的なアクションを導くための重要な手がかりとなります。

他社・競合サイト|市場での立ち位置を知る

他社・競合サイトのアクセス数を調べれば、市場全体の傾向を把握し、自社の立ち位置を客観的に確認することが可能です。単なる数値の比較にとどまらず、競合をベンチマークとして設定すれば「どの規模を目標にすべきか」「どこで差別化できるか」が見えてきます。

さらに、競合が集客しているキーワードや成果を上げているコンテンツを調べることで、自社に不足しているテーマや強化すべき領域も見えてきます。逆に、競合が手をつけていないキーワードやチャネルを発見できれば、新しい市場機会を切り開くチャンスとなるのです。

このような分析を重ねることで、単なる現状把握にとどまらず、目標の設定や改善の優先順位、新たな市場の可能性まで見えてきます。

競合サイトを調べる無料ツール5選

PCに表示されたデータを見る人々

他社のサイトのアクセス数を正確に知ることはできませんが、ツールを使えば精度の高い「推定値」を把握することが可能です。無料で使える代表的なツールは以下の5つです。

  • Similarweb
  • Ubersuggest
  • Ahrefs
  • SEMrush
  • Dockpit

順に見ていきましょう。

Similarweb

Similarweb(シミラーウェブ)は、競合サイトの全体像を把握するための定番ツールです。

URLを入力するだけで、訪問者数の規模、平均滞在時間、直帰率に加え、検索・SNS・広告などからの流入比率を確認できます。これにより、競合がどのチャネルを重視しているかや、集客の強み・弱みの把握が可能です。

さらに、複数の競合を比較すれば、自社との戦略の違いも見えてきます。検索流入に強いサイトとSNS依存度の高いサイトでは、施策の優先順位が大きく異なるため、自社が注力すべき分野を検討する材料となります。

無料版でも主要なデータは十分に得られるため、まずは競合サイトの規模感や集客の仕組みを知りたいときに活用しやすいツールです。

Ubersuggest

Ubersuggest(ウーバーサジェスト)は、SEOの観点から競合サイトを分析するのに適したツールです。

特徴は、競合がどの検索キーワードでアクセスを集めているのかを具体的に調べられる点にあります。検索ボリュームや難易度、実際に流入を獲得しているページまで確認できるため、狙うべきキーワードや参考にすべきコンテンツが明確になります。

また、自社のコンテンツと照らし合わせることで「不足しているテーマ」や「強化すべき領域」を見つけやすくなり、SEOの改善に直結する実用的な情報を得られる点が大きな魅力です。

無料版は利用回数に制限がありますが、基本的な調査には十分。コンテンツ戦略を考えるうえで役立つ、扱いやすい分析ツールといえるでしょう。

Ahrefs

Ahrefs(エイチレフス)は、SEO専門家から高い評価を受けている本格的な分析ツールです。

最大の強みは被リンク分析の精度にあり、競合がどのサイトからリンクを獲得し、どのような内容で紹介されているのかを詳細に把握できます。被リンクは検索エンジンにおける評価を大きく左右するため、競合のリンク戦略を知ることは、自社のSEO強化に直結します。

加えて、上位表示しているキーワードやページも調べられるため、コンテンツ施策とリンク施策の両面で活用可能です。競合が成果を上げている理由を具体的に分析できる点は、他のツールにはない強みといえます。

有料サービスが中心ですが、自社サイトを登録すれば無料で一部機能を利用できます。まずは自社の現状把握から始め、必要に応じて活用範囲を広げていくのがおすすめです。

SEMrush

SEMrush(セムラッシュ)は、SEOだけでなく広告やSNSまで幅広くカバーする、総合的なマーケティング分析ツールです。

競合がどのキーワードで上位表示しているかを調べられるのはもちろん、検索連動型広告の出稿状況や広告文まで確認できます。これにより、SEOと広告の両面から競合の戦略を立体的に把握できるのが特徴です。

また、キーワードの検索ボリュームや難易度、関連語の調査も可能で、新しいコンテンツ企画や広告施策の立案に役立ちます。SEOと広告の情報を一元的に扱える点は、他のツールにはない強みといえます。

有料サービスが中心ですが、無料アカウントでも一部機能を試すことができるため、競合分析の第一歩として取り入れやすいツールです。

Dockpit

Dockpit(ドックピット)は、日本市場に特化したデータをもとに競合やユーザーの動向を分析できる国産ツールです。

特徴は、サイトのアクセス数だけでなく、訪問ユーザーの年代・性別・居住地域・ライフステージといった属性情報を把握できる点にあります。これにより「競合サービスを利用しているのはどの層か」を明確にし、自社のターゲット設定を見直す材料になります。

さらに、業界全体のトレンドやユーザーの行動変化も分析できるため、新しい市場機会の発見や商品企画の検討に役立つ点も強みです。競合比較だけでなく、事業戦略の立案に直結するデータが得られます。

無料版でも一部機能を利用できますが、詳細な分析には有料プランが必要です。国内市場を深く理解したいときに有効な選択肢といえるでしょう。

自社サイトを調べる無料ツール

PCに向かって作業している男性イラスト

自社サイトのアクセス数は、Googleが無料で提供している公式ツールを使うことで、正確に計測・分析できます。まだ導入していない場合は、必ず設定しておきましょう。主なツールは以下の2つです。

  • Googleアナリティクス(GA4)
  • Googleサーチコンソール

それぞれ解説します。

Googleアナリティクス(GA4)

Googleアナリティクス(GA4)は、自社サイトのアクセスを詳細に把握するための代表的な分析ツールです。

ページビューや訪問者数といった基本指標に加え、ユーザーがどのページから訪問し、サイト内でどのように移動し、最終的にどこで離脱したのかまで追跡できます。行動の流れを可視化することで、サイト内の強みと弱みを明確にできます。

さらに、年齢・性別・地域といった属性データも得られるため、想定しているターゲット像と実際の訪問者層にギャップがないかを検証可能です。こうした情報を活用すれば「成果につながるページを強化する」「離脱が多いページを改善する」など、具体的な改善施策を導き出せます。

GA4は、データに基づいて運営を改善していくうえで欠かせない存在といえるでしょう。

Googleサーチコンソール

Googleサーチコンソールは、検索エンジンから自社サイトがどのように評価されているかを確認できるツールです。

ユーザーが入力した検索キーワードや表示回数、クリック数といった検索行動を把握できるため、どんなニーズに応えられているかを具体的に検証できます。検索流入の成果を把握するだけでなく、想定外のキーワードで流入しているケースも見つかるため、新しいコンテンツの方向性を考える手がかりにもなります。

また、Googleのインデックス状況やモバイル対応の有無、エラーの有無も確認できるため、検索結果に表示されるための基盤を整えるのに有効です。SEO施策を進めるうえで、GA4と並んで必ず導入すべきツールといえます。

アクセス数を理解する3つの基本指標

サイト分析をしているPCイラスト

アクセス解析で最低限知っておきたい基本指標は、以下の3つです。

  • ページビュー(PV)数
  • ユーザー数(UU)
  • セッション数

それぞれ解説します。

ページビュー(PV)数

ページビュー(PV)は、ページが表示された回数を示す基本指標です。1人のユーザーが3ページ見れば「3PV」となり、サイトの利用状況や閲覧の多さを把握する出発点になります。

ただし、PVの多さだけで成果を判断するのは危険です。メディア型なら収益に直結しやすい一方、ECやSaaSでは「目的の商品にたどり着くまでに何度も遷移している」ケースもあり、導線のわかりにくさを示すことがあります。再読み込みや同じ人の往復もカウントされるため、過大評価になりがちです。

分析では、PVとUUを組み合わせて1人あたりの閲覧ページ数を確認する、セッション単位での閲覧量を追う、流入チャネル別にPV上位ページを洗い出すといった切り口が有効です。人気ページの傾向を把握したり、改善すべきページを見つけたりするための基礎データとして活用しましょう。

ユーザー数(UU)

ユーザー数(UU)は、一定期間にサイトへ訪問した「固有の人数」を示す指標です。同じ人が何度アクセスしても1人としてカウントされるため、サイトがどれだけの人に見られているかを測る基準になります。

UUは「認知の広がり」や「新規ユーザー獲得」の成果を見極めるのに役立ちます。たとえばPVが多くてもUUが少ないなら、限られた層が繰り返し訪問している状態です。逆にUUが伸びていれば、新しい層へのリーチが広がっていると考えられます。

運用では、PVやセッションと組み合わせて解釈することが重要です。PV/UUで1人あたりの閲覧量を把握する、セッション/UUで訪問頻度を確認するなど、UUを軸にほかの指標を補うことで、サイトの成長や課題をより正確に読み取ることができます。

セッション数

セッション数は「訪問回数」を表す指標です。ユーザーがサイトを訪れてから離脱するまでを1セッションと数えます。もし同じユーザーが朝と夜にアクセスした場合、UU(ユーザー数)は1ですが、セッション数は2になります。

この指標は「どのくらいの頻度で訪問されているか」を見ることが可能です。新規ユーザーが多くてもセッション数が伸びない場合は、1度きりの訪問で終わっている可能性が高いです。逆に、セッション数が安定して増えていれば、リピーターや定期的に利用するユーザーが多いと考えられます。

また、セッション数をUUで割ると「1人あたり平均訪問回数」が算出可能です。これによってサイトへの関心度やロイヤルティを測ることができ、改善施策を検討する際の重要な手がかりとなります。

アクセス解析で誤解しやすい3つの注意点

「!」が表示されたPCのイラスト

アクセス解析で誤解しやすい、3つの注意点は以下のとおりです。

  • 競合サイトの数値は推定にとどまる
  • ツールごとに数値が変わる
  • 他人のGAは見られない

それぞれ解説します。

競合サイトの数値は推定にとどまる

競合分析ツールが示すアクセス数は、モニターパネルやクローリングデータをもとにした推定値であり、実測値ではありません。とくに小規模サイトやニッチ業界では誤差が大きくなりやすく、大規模サイトほど比較的安定した結果が出やすい傾向があります。

だからこそ、表示された数値をそのまま目標に置き換えるのは危険です。重要なのは、数値そのものではなく、競合同士の規模感の違いや流入経路の構成、時間の経過による増減といった相対的な変化に注目することです。

実務では、GA4などの実測データをKPI管理に用い、競合ツールの推定値は「市場動向や競合の方向性をつかむための参考情報」として活用するのが現実的といえるでしょう。推定値を“正確な答え”と考えるのではなく、あくまで判断材料のひとつとして扱う姿勢が欠かせません。

ツールごとに数値が変わる

同じサイトを分析しても、ツールによって結果が一致しないのは自然なことです。

なぜなら、それぞれが異なる仕組みでデータを収集・集計しているからです。GA4のようにタグで実測するものもあれば、Similarwebのように外部データから推定するものもあり、セッションの区切り方やユーザー識別の基準も少しずつ異なります。

このため「どのツールが正しいか」を探すのではなく、「どのツールを基準に使うか」を決めることが重要です。自社の施策効果を検証するならGA4、競合との比較や市場全体の傾向を知りたいなら推定ツール、といったように役割を分けて使うと無駄がありません。

数値の差に振り回されるよりも、同じ条件で定点観測し、変化の方向性を追うことに意味があります。基準を明確にしておけば、異なるツールの結果を見ても迷いにくくなります。

他人のGAは見られない

Googleアナリティクス(GA)のデータは、そのサイトの所有者や管理権限を持つユーザーだけが閲覧できます。アクセス数やコンバージョン率は企業の経営に直結する機密情報であり、外部から勝手に確認することはできません。

「他社のGAを直接見られる」とうたうサービスがあれば、それは規約違反か不正な手段によるもので、利用すべきではありません。競合の正確な数値を知る方法は存在しないため、必要なのはGA4など自社の実測データを正しく活用しつつ、競合についてはSimilarwebなどの推定ツールで大まかな傾向を把握するという姿勢です。

つまり、自社サイトの改善には正確な実測値を、競合分析には推定値を、それぞれ適切に使い分けることが現実的で安全なアプローチとなります。

まとめ

口コミやデータを調べている人たちのイラスト

サイトアクセス数を調べる方法は、自社と競合で大きく意味が異なります。自社については、GA4やサーチコンソールを使えば訪問者数や行動経路を正確に把握でき、改善のための確かなデータが得られます。競合については正確な実測値はわからないものの、SimilarwebやUbersuggestなどの推定ツールを使えば規模感や流入経路、人気コンテンツの傾向を把握することが可能です。

重要なのは、数値そのものを鵜呑みにするのではなく、相対的な差や時系列での変化に注目し、自社の戦略にどう活かすかを考えることです。実測値と推定値を使い分けてこそ、現実的で効果的な施策につながります。

「改善の着手点がわからない」「競合との差をどう埋めるべきか知りたい」と感じたら、専門的な知見を持つパートナーに相談するのも選択肢のひとつです。

株式会社ウェブサークルでは、目的に応じた改善プランをご提案していますので、ぜひお気軽にご相談ください。

この記事を書いた人

ウェブサークルのコンテンツ事業部が、日々の現場で感じたことやマーケティングのコツを、わかりやすくまとめて発信しています。
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