ホワイトペーパーとは?作り方のポイント・活用方法などを解説
更新日:2022.09.15 公開日:2022.06.21
マーケティング
お知らせ
マーケティングでの「ホワイトペーパー」は、主にBtoBビジネスにおいて、優良顧客を獲得するための施策の一つに分類されます。
自社でホワイトペーパーを導入することになったけれど、ホワイトペーパーについてあまり理解していない・ホワイトペーパーの作り方が分からないという方も多いのではないでしょうか。
ここでは、ホワイトペーパーについてまったく分からない方はもちろん、ホワイトペーパーについて詳しく知りたいWEB担当者の方にも基礎知識や作り方のポイントを丁寧に解説していきます。
ぜひお読みください!
目次
ホワイトペーパーとは
まず初めに、ホワイトペーパーの意味と、よく間違われやすい営業資料との違いを説明していきます。
意味
ホワイトペーパーとは本来、政府などが定期的に発行する公式文書・報告書・資料などの「白書」を指していました。
しかし最近では、マーケティング用語として使われることが増えており、少し意味が異なります。
マーケティング業界では、「課題の解決策や商品・サービスに関するレポートなど顧客にとって役立つ情報をまとめた資料」のことを指します。
大概、WEBから資料をダウンロードする際は、事前に名前やメールアドレスなどの個人情報の入力画面が出てきます。
多くのホワイトペーパーはこのように、資料と引き換えに見込み顧客の個人情報を入手できるような仕組みになっています。
営業資料との違い
ホワイトペーパーを、営業資料やサービス資料と勘違いされる方も多いのではないでしょうか?
営業資料やサービス資料は、商品やサービスをすでに検討中の人、つまり「購入を考えている顧客」に機能や価格、メリットといった詳細情報を説明するものです。
対してホワイトペーパーは、ターゲットが幅広く、情報収集が目的の見込み顧客、つまり「購入を考えていない顧客」に対して求める情報を提供し、顧客の課題解決方法を資料として提供します。
顧客が求める情報があれば、自社商品やサービスと直接関係のない情報でも提供するのが、ホワイトペーパーの特徴です。
ホワイトペーパーの種類
ホワイトペーパーはいくつかの種類があり、大きくは6つの種類に分けられます。
まずは自社がどのタイプのホワイトペーパーを狙っていきたいのかを明確にしましょう。
1.入門ガイド・用語集
入門ガイドや用語集は、自社の業界に関する理解を深めてもらうために作成されます。
- 入門ガイド:業界に関する基礎的な知識をまとめたもの
- 用語集:業界で多様に使用される用語をまとめたもの
このようなホワイトペーパーを求める人は、これから専門知識を身に着けようと考えている人、または業界に興味・関心のある初心者の人が多いと想定できます。
初めての人でも分かるように、専門用語を使うことはなるべく避け、使用する場合はその用語の意味も丁寧に説明するなどの配慮が必要です。
2.課題解決型
課題解決型のホワイトペーパーが、近年一番多く用いられています。
自社のサービス・商品などに関係する課題からテーマを決め、課題の解決策やアドバイスを与えることを目的としているホワイトペーパーです。
課題解決のためのノウハウやワークシートなどの情報を記載し、潜在的顧客を自社の商品・サービスに導きます。
このホワイトペーパーは、自社の商品・サービスの良さがなかなか広がらない場合などに役立ちます。
3.調査レポート・アンケート調査型
調査レポート型は、独自の調査結果をまとめたホワイトペーパーです。
詳しくいうと、自社の商品・サービスが関連する業界や市場の調査をレポートにしたものです。
このタイプは業界や市場の最新情報を知りたい方にピッタリです。
顧客は常に最新の情報を知りたがるものです。
調査レポートは定期的に調査を行い、なるべく情報を更新し続けることが大切です。
また、顧客向けに実施したアンケートの調査結果をレポートにするものもあります。オンラインで行えるアンケートは、手間やコストをあまりかけたくない企業におすすめです。
こういったレポート型は多くの顧客が対象となり、顧客の信頼獲得や関係構築に有効です。
4.商品比較型
購入を検討している段階の顧客が対象で、商品・サービスについての機能や特徴・価格などを自社を含め複数社と比較した資料のことを指します。
商品比較型のホワイトペーパーは、見込み客が抱えている課題やニーズを把握した上で作成することが大切です。
5.事例紹介型
事例紹介型は、すでに自社の商品・サービスを導入している同業他社が、実際にどのように商品・サービスを利用し課題解決に導いたかの事例をまとめたホワイトペーパーです。
導入前にあった課題を、導入することでどのように解決したのかを具体的にまとめています。
可能な限り、既存顧客の了承を得て実社名が入った事例集を作成しましょう。
実社名が用いられることで、ユーザーからの信頼も高まり、商品・サービスの導入に効果的にアプローチできます。
担当者のインタビュー記事を作成するのも、顧客に有益な情報で効果的です。
6.その他
上記5つの対応には分類されないホワイトペーパーもあります。
- 自社で開催したセミナー資料や展示会などに関しての報告レポート
- サービス資料・カタログなど
- トレンド情報関連の資料
- 診断・チェックシートなど
ほかにも、企業によって様々なホワイトペーパーが世にでています。
既存のホワイトペーパーの形式にはとらわれず見込み顧客の価値を第一に考え、ホワイトペーパーを作成しましょう。
ホワイトペーパーの目的
企業によってホワイトペーパーの目的は異なりますが、多くの場合、最終的な目的は商品・サービスの売り上げにつなげることです。
商品・サービスの売り上げにつなげるために、さらに2つの目標が挙げられます。
顧客が必要としている情報を提供し、顧客が抱く問題を解決する
先ほども述べたように、ホワイトペーパーは営業資料ではありません。
商品・サービスの押し売りするのではなく、あくまで顧客が抱えている問題を解決することが目的です。
そうすることで、顧客に自社の商品・サービスを知ってもらうきっかけになり、リード獲得にもつながります。
顧客情報を獲得する
顧客に有益な課題解決の資料を提供するのと引き換えに、企業は資料をダウンロードしたユーザーの企業名やメールアドレスといった個人情報を取得できます。
個人情報をゲットすることで新規リードの獲得につながり、営業やマーケティング活動に利活用できます。
リードを獲得できても、これらの顧客情報を管理し、それを十分に活かすことができなければホワイトペーパーを作った努力が水の泡になってしまいます。
リード情報は正しく管理し、リードを育成しなければなりません。
リードを管理するためには、CRMの導入がおすすめです。
CRMに関しては以下の記事で解説していますので、ぜひご覧ください。
CRMとは?導入のメリット、ツールの選び方、運用のコツを解説
2022.06.21
ホワイトペーパーで得られる効果とメリット
ホワイトペーパーは作り方や活用方法によって、企業に多くの効果・メリットをもたらします。ここでは代表的なものを5つ紹介します。
リードの育成
まず1つ目の効果は、リード育成(リードナーチャリング)です。
ホワイトペーパーを活用することで、ユーザーの自社への興味関心を向上させることができます。
例として、ホワイトペーパーは、メールマガジンに添付する資料やセミナー資料としても活用できます。その資料を読んだ顧客が内容を理解しインプットすることによって企業との関係構築ができ、質の良い顧客へと育成できるというメリットがあります。
まだ関係性が低い顧客に対して、役立つ良質な情報を提供することで、ユーザーとの関係構築を行い、受注見込みの顧客へと育てていくリード育成にも役立ちます。
リードの獲得
ホワイトペーパーはリード育成が主と思われがちですが、新規リード獲得(リード・ジェネレーション)も狙えます。
顧客に役立つ資料を提供するのと差し替えに、リードを獲得ができるのです。
資料をダウンロードする際にメールアドレスや会社名などのユーザーの個人情報を入力してもらうことで、ユーザー情報を獲得できます。
顧客満足度の向上
顧客・ユーザーにとって有益な情報を発信し続けることで、信頼構築につなげることができます。
業界のトレンドや成功事例などの資料は、情報取集・比較に時間がかかるため、資料としてまとまったホワイトペーパーはユーザーにとってとても役立つ情報となります。
ホワイトペーパーを通して顧客に役立ちそうな資料などを共有することで、顧客満足度の向上につなげられます。
受注確度を高める
ホワイトペーパーを作ることで、見込み顧客の受注確度を高めることにつながります。
例えば見込み顧客が気づいていない自分の課題があった場合、ホワイトペーパーを通してその課題を解決できる場合があります。
その際、自社の商品・サービスが、ユーザーの課題を解決できることを示せれば、購入してもらえる場合もあるのです。
このように見込み客が自社の商品・サービス内容を熟知することで、より表面化されたユーザーを集めることができ、受注確度を高めることができます。
営業ツールとしても活用できる
ホワイトペーパーは顧客との商談・面接時などでの営業ツールとしても使用できます。
顧客にとって価値のある情報提供をすることで興味・関心を引くことができ、これが結果として受注につながりやすくなります。
ホワイトペーパー作成の手順
ホワイトペーパー作成時の具体的な手順を、ここでは詳しく説明します。
1.課題を決める
まず第一にユーザーが抱えている課題をピックアップしましょう。
ユーザーはその課題について必ずしも把握しているとは限りません。
また、課題を決める際は、自社の商品・サービスでどのような課題を解決することができるのかを合わせて考えていきましょう。
課題に対して自社の商品・サービスが何を提供できるかが明確になっていると、作成がスムーズにいきます。
2.目標を立てる
目標を決めることも、ホワイトペーパーを作成する上で大切です。
ホワイトペーパーを通して、ユーザーにどんなアクションをとってほしいのか、どんな状態になってほしいかという目標を立てましょう。
企業と顧客の関係性によって目標はさまざまなので、自社にとって適切な目標を設定しましょう。
- 自社について認知してもらう
- 自社の商品・サービスを購入してもらう
などの目標が例として挙げられます。
3.ターゲットを決める
ホワイトペーパーの中身をどんな内容にするかは、ターゲットを細かく設定することで具体的に設定することができます。
まずはどんな見込み顧客に読んでもらいたいかを決めましょう。
4.テーマを決める
次に、ホワイトペーパーでユーザーに伝えたいテーマを決めましょう。
テーマを適当に考えてしまうと、顧客にとって有益なコンテンツの作成ができません。
テーマを決める際には、幅広く案を出し合い、印象に残るものに決定しましょう。
自社がただ顧客に伝えたいことをテーマにするのではなく、ターゲットとなるユーザーにとって読む価値のあるテーマにすることが重要です。
5.全体のフローを決める
ターゲット・テーマが決まったら、全体のフローを決めていきます。
ここでいうフローは、ユーザーがホワイトペーパーを読んでから行動を起こすまでの流れのことです。
流れを決めておくことで、ユーザーに行動を起こしてもらうためのホワイトペーパー制作がスムーズにいきます。
6.ボリュームを決める
ホワイトペーパーをつくる際は、全体のボリュームを考えておくことも大切です。決めたテーマに沿って内容を伝えるためにはどのくらいの内容量が最適なのかを考え、ボリュームを決めます。
ホワイトペーパーの種類やターゲットにもよりますが、最低でも4ページ、多くて20ページ前後で作成するとよいでしょう。
ページ数が多いとユーザーは読むのをやめてしまう可能性があるので気を付けましょう。
7.作成する上でのルールを決める
ボリュームまで決まったら、ホワイトペーパーにおけるレギュレーションを決めます。
レギュレーションとは、ホワイトペーパーを作成する上での決めごと・ルールのことです。
- です・ます調でそろえる
- 数字は半角で統一する
- コンテンツの中に画像を2枚以上入れる
上記のようなものが、例として挙げられます。
このようなレギュレーションを作ることによって、ホワイトペーパーに統一感を出すことができます。
また、複数人で作成する場合は作る人によってばらつきが起こりやすいです。
ですが、レギュレーションを決めておくことでばらつきを防ぐことができます。
8.ホワイトペーパーを制作する
最後に、これまでの内容を踏まえて制作を始めましょう。
ホワイトペーパーを作成する際には、デザインや執筆、必要であれば事前に取材なども行います。
執筆は、ユーザーにとって役に立つ情報を伝えるために重要なポイントです。
また、読者が読みやすいデザインを取り入れることで、飽きられずに、もっと読みたいと思われるホワイトペーパーを作成することができます。
ホワイトペーパーを作成する際のポイント
せっかくホワイトペーパーを作成しても、ユーザーに読んでもらえなかったら作った意味がありません。ここでは、作成時に気を付けたほうがいいポイントを紹介します。
なるべく専門用語を使わない
専門用語の取り扱いには十分注意しましょう。
同じ業界のユーザーをターゲットにしたホワイトペーパーの場合は、専門用語を使っても問題ありません。しかし、気を付けるべきは業界外のユーザーをターゲットにした場合です。
伝わらない用語はなるべく避け、使うときはその言葉の意味を添えるなどの工夫をしましょう。
どの程度の専門用語が伝わらないのかは分からないこともあるでしょう。
ホワイトペーパーが完成したときにターゲット層に近い第三者に読んでもらい、分からない言葉がないかを確認してもらいましょう。
商品・サービスの押し売りをしない
押し売り感が強くなってしまうと、自社の商品・サービスへの関心が低いユーザーは読むことをやめてしまう可能性があります。
ホワイトペーパーは営業資料とは違い、顧客の課題解決をするための資料です。
まず、ホワイトペーパーで自社の商品・サービスを知ってもらい、その後のフォローで信頼を築き、最後に営業資料で成約につなげるといった、顧客の関心度に比例したアクションを行いましょう。
ページを多くしすぎない
飽きずに読めるページ数にしましょう。
ターゲットや種類によって適切なページ数は異なります。
先ほども述べましたが、基本的にホワイトペーパーは少なくても4ページ、多くて20ページ前後で作成するとよいでしょう。
ページ数が多いほど後半は読まれず、ユーザーが離れていってしまいます。
逆に少なすぎてもユーザーの期待を裏切りがっかりさせてしまうので、ユーザーがストレスなく読めるよう完結に整理することを忘れないようにしてください。
興味の引くタイトルにする
ユーザーの目を引くタイトルを付けることもポイントです。
タイトルを付ける際は、実績を表す数値をいれたり、メリットを伝える見出しにするといいでしょう。
商品名やサービス名をいれると売り込み感が強くなり、よくないので注意しましょう。
結論から先に述べる
ホワイトペーパーでは、結論を先に述べることが大切です。
ユーザーの多くは、課題を解決するために資料を読んでいます。
結論までのプロセスが長いと、途中で見るのをあきらめてしまう可能性があるのです。
先に結論を述べ、その根拠を論理的に説明することで、分かりやすい文章になります。
しかし、根拠がしっかり肉付けされていないと結局何を言いたかったかが伝わりません。
ホワイトペーパー全体の内容に一貫性を持たせた文章になるように意識しましょう。
ホワイトペーパーの活用方法
ホワイトペーパーを作成したら、いよいよ公開です。
ホワイトペーパーをどのように活用していけばいいかをここでは紹介します。
自社のホームページに掲載
自社のホームページに記載するのが一般的な活用方法です。
コーポレートサイトや自社メディアなどでお役立ち情報として掲載されていることが多いです。
企業やサービス、コンテンツに興味を持ったユーザーが、ホワイトペーパーをダウンロードします。
営業資料として活用する
先ほどホワイトペーパーは営業資料やサービス資料とは異なると言いましたが、ホワイトペーパーにも自社の商品・サービスを説明する内容はあるため、営業資料としても使用することは可能です。
他の媒体にアップする
調査レポート型のホワイトペーパーなどであれば、プレスリリース配信サービスで配信するとよいでしょう。
プレスリリースとは、メディア関係者などにむけて資料を作成・発表したことを通知するものです。
プレスリリースを見た記事制作者が興味を持てば、さまざまなメディアへの転載を狙えます。
メディア転載されることで、多くの人の目に入り、新規リード獲得につなげられます。
自社のみで配信するよりも拡散率が大きく向上します。
メルマガに掲載する
自社のメルマガ会員に対してホワイトペーパーを提供する方法もあります。
対象としては、すでに自社に関心を表しているユーザーなので、さらに関係を強化する効果があります。
SNSでの発信
SNSはなんといっても拡散力があるため、フォロワーのみならず、自社に関心がない方にも目を向けてもらえる可能性があります。
公式アカウントの運用を積極的に行っている企業は、この活用方法がおすすめです。
SNSではよく見る、「フォロー&リツイートで資料をプレゼント」などはこの方法です。
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まとめ
ホワイトペーパーはただの資料ではなく、有効なマーケティングツールの一つとして活用されています。
また、リードの獲得や育成、顧客との関係構築に役立てられるなど、成約まで手厚く手助けしてくれます。
よりよい効果が得られるよう、ポイントをしっかり確認しながら、ホワイトペーパーの作成に取り組んでみてください。
本記事を通してホワイトペーパーについての理解が深まれば幸いです。