Webマーケティング戦略の立て方!5つのステップで解説

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Webサイトからの問い合わせを増やしたいけれど、何から手をつければ良いか分からない。
そんなお悩みはありませんか。やみくもに施策を打っても、なかなか成果には結びつきません。

この記事では、Webマーケティングの全体像を掴み、自社の目標を達成するための「戦略」の立て方を、5つのステップで分かりやすく解説していきます。

目次

Webマーケティング戦略とは|Web集客の設計図

パソコン画面の前に立つ男性

Webマーケティング戦略とは、WebサイトやSNSなどを活用して、売上向上や問い合わせ獲得といったビジネスの目標を達成するための「設計図」のことです。

誰に、何を、どのように届けるかを明確にし、限られたリソースをどこに集中させるべきか判断する指針になります。この設計図があることで、チーム全体が同じ方向を向いて施策を進められるようになります。

デジタルマーケティングとの違い

Webマーケティングと似た言葉に「デジタルマーケティング」があります。Webマーケティングは、Webサイトを中心とした活動を指す言葉です。

一方でデジタルマーケティングは、Webサイトだけでなく、スマホアプリやIoT機器など、あらゆるデジタル技術を使ったマーケティング活動を指しています。

つまり、Webマーケティングはデジタルマーケティングという大きな枠組みの一部だと考えると分かりやすいでしょう。まずは身近なWebサイトやSNSといった領域を指す「Webマーケティング」から理解を深めることが大切です。

戦略の重要性と目的

なぜ、Webマーケティングに「戦略」が必要なのでしょうか。その目的は、場当たり的な施策をなくし、成果への最短ルートを見つけることにあります。

しっかりとした戦略があれば、日々の業務に追われても、本来の目的を見失うことがありません。戦略がないと、個別の施- 策が本当に目標達成に貢献しているのかを正しく評価できません。

戦略を立てることで、自社の立ち位置を客観的に把握し、目標達成のために「今、何をすべきか」という優先順位をはっきりさせることができるのです。

戦略立案で得られる3つのメリット

Webマーケティング戦略をきちんと立てると、多くのメリットが生まれます。まず、自社の目標と現状が明らかになるため、どの施策にリソースを集中させるべきか、その優先順位が明確になります。

次に、目標達成への貢献度が低い施策に無駄なコストをかけることがなくなり、費用対効果の最大化が期待できるでしょう。

そして、「なぜこの施策を行うのか」という目的が明確になるため、関係者全員が同じゴールを目指して協力しやすくなります。戦略を立てるという最初のひと手間が、将来の大きな成果に繫がっていくのです。

【5ステップ】Webマーケティング戦略の基本プロセス

基本プロセス

ここからは、実際にWebマーケティング戦略を立てるための具体的な5つのステップを解説します。このプロセスに沿って進めることで、初心者の方でも自社に合った戦略を設計できます。

1、現状分析と市場調査|3C・SWOT分析

最初のステップは、自社が置かれている状況を客観的に把握することから始まります。ここでは、市場や顧客を分析する「Customer」、競合を分析する「Competitor」、そして自社を分析する「Company」という3つの視点から考える3C分析が役立ちます。

また、自社の強み・弱みといった内部環境と、機会・脅威といった外部環境を整理するSWOT分析も有効です。これらの分析を通じて、戦略の方向性を定めていきましょう。

思い込みを捨てて客観的な事実を集めることが、このステップの成功の鍵です。自社だけのユニークな価値を見つけ出すための、非常に重要なプロセスになります。

2、KGI・KPIの目標設定

次に、Webマーケティングで達成したい最終的なゴールであるKGIと、その達成度を測るための中間指標となるKPIを具体的に設定します。KGIは、例えば「Web経由の売上を年間1,000万円にする」といった最終目標です。そしてKPIは、そのKGIを達成するための中間目標で、「Webサイトのアクセス数」や「問い合わせ率」などが該当します。

「売上を増やす」といった曖昧な目標ではなく、必ず具体的な数値で設定することが大切です。この数値目標があることで、日々の活動がゴールに繋がっているかを常に確認できます。現実的に達成可能な、少し挑戦的な数値を設定するのがポイントです。

3、ターゲットとペルソナ設定|カスタマージャーニー

誰に情報を届けたいのか、ターゲット顧客を明確に定義していきます。ここでは、年齢や性別だけでなく、より具体的な人物像である「ペルソナ」を設定すると効果的です。その人がどんなことに悩み、どんな情報を求めているのかを深く掘り下げていきましょう。

ペルソナを設定したら、その人物が商品を認知し、購入に至るまでの思考や行動のプロセスを可視化する「カスタマージャーニーマップ」を作成します。これにより、顧客との各接点で、どのような情報を提供すべきかが見えてくるようになります。顧客の気持ちに寄り添った施策を考えるための、大切な地図になるのです。

4、具体的な施策の選定

これまでのステップで設定した目標やターゲットに基づいて、最も効果的だと考えられる具体的なWebマーケティング施策を選びます。例えば、「BtoB企業で見込み客の情報を獲得したい」という目標であれば、専門的な情報を提供するコンテンツマーケティングが考えられます。

自社の目標とペルソナの行動特性に合った施策は何か、という視点で選ぶことが重要になります。これまでの分析結果と一貫性のある施策を選ぶことで、戦略全体の精度が高まります。

複数の施策を組み合わせることで、相乗効果が生まれることも少なくありません。

5、実行と効果測定・改善

戦略を立てたら、計画に沿って施策を実行します。そして、Webマーケティングで最も重要なのが、実行した後の「効果測定」と「改善」です。Googleアナリティクスなどのツールを使ってKPIの数値を定期的にチェックし、計画通りに進んでいるかを確認しましょう。

もし目標に届いていない場合は、その原因について仮説を立て、施策の内容を修正していくのです。この改善サイクルを回し続けることで、成果を最大化できます。一度で完璧な結果が出ることは稀であり、データから学び続ける姿勢が成功を引き寄せます。

主要なWeb集客方法の比較

Web集客_比較

ご紹介した5つの手法を、「費用対効果」「即効性」「ターゲット層」の3つの視点で比べてみましょう。

費用対効果で比較

長い目で見たときに費用対効果が高いのは、一度軌道に乗れば継続的に集客できるSEOやコンテンツマーケティングです。Web広告はすぐに効果が出ますが、その分、費用を使い続ける必要があります。

SEOやコンテンツマーケティングは、初期投資として時間や労力がかかりますが、一度作成したコンテンツは企業の資産として残り続けます。広告のように費用を止めると露出がなくなるわけではないため、長期的に見ると一人当たりの顧客獲得単価を抑えられる可能性があります。

自社の予算やリソースに合わせて、どの手法に投資するかを考えることが大切です。

即効性で比較

すぐにでも効果を実感したい場合には、Web広告が最も適しています。広告費をかければ、その日からでもターゲットとする人々に情報を届けることが可能です。Web広告は、キャンペーンを設定すれば数時間後には配信を開始できるため、セールやイベント告知など、急いで情報を届けたい場合に非常に有効です。

SNSマーケティングも、話題性のある投稿が拡散されれば、短期間で大きな注目を集める可能性があります。反対に、SEOやコンテンツマーケティングは、効果が出るまでにじっくりと時間をかける必要があります。

ターゲット層で比較

何かを具体的に探している人には、SEOやWeb広告が効果的です。「今すぐ行きたい」と考えている地域の人にはMEOが響きます。検索という行動は、ユーザーが自らの課題や欲求を認識している証拠なので、SEOやWeb広告は成約につながりやすいのです。

一方、SNSマーケティングは、ユーザーの興味関心に合わせて情報を届けられるため、まだ自社のことを知らない層にアプローチするのに向いています。まだニーズがはっきりしていない潜在的な顧客には、SNSマーケティングやコンテンツマーケティングでアプローチするのが良いでしょう。

Web集客を始めるための4ステップ

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Web集客を成功させるには、計画的に進めることが欠かせません。初心者の方が取り組むべき4つのステップを紹介します。

ステップ1: 目的とKGI・KPIの設定

まずは「何のためにWeb集客をするのか」という目的をはっきりさせましょう。

例えば、「売上を月100万円にする」といった最終目標(KGI)と、その達成度を測るための中間目標(KPI)を設定します。この最初のステップが最も重要で、ここが曖昧だと、どの施策が正しかったのか後から評価することができません。

明確なゴールがあるからこそ、進むべき道が定まり、チーム全員が同じ方向を向いて努力できるようになります。アクセス数や問い合わせ件数など、具体的な数字で目標を立てることが重要です。この土台がしっかりしているほど、後の施策がブレにくくなります。

ステップ2: ターゲットとペルソナの明確化

次に、「誰に商品を届けたいのか」というターゲットを具体的にします。

年齢や職業、どんな悩みを抱えているかなど、架空の人物像(ペルソナ)を詳細に設定してみましょう。ペルソナを設定することで、まるでその一人のために語りかけるように、心に響くメッセージやコンテンツを作れるようになります。

どのような言葉遣いが良いか、どのSNSを使っているかなど、具体的な施策を考える上での重要な判断基準にもなります。そうすることで、どんなメッセージを発信すれば相手の心に響くかが明確になります。「すべての人」をターゲットにすると、結局誰の心にも響かないメッセージになってしまうため、絞り込むことが大切です。

ステップ3: 集客施策の選定と実行

設定した目的とターゲット像をもとに、最適なWeb集客の方法を選びます。例えば、地域密着の店舗ならMEOは欠かせませんし、高額な商品ならコンテンツマーケティングでじっくり信頼を築くのが有効です。

最初からすべての手法を試す必要はなく、まずは最も効果が見込めそうなものから一つか二つ選んで集中するのがおすすめです。ターゲットがどこで情報を集めているかを考え、その場所に最適な方法でアプローチすることが成功の鍵となります。

自社の予算や人員に合わせて、実行可能な計画を立てましょう。計画を立てたら、完璧を求めすぎずにまずは行動に移してみることが、何よりも大切です。

ステップ4: 効果測定と改善

施策を始めたら、必ず効果が出ているかを確認する習慣をつけましょう。Googleアナリティクスなどのツールを使って、設定した目標(KPI)が達成できているかを定期的にチェックします。

Web集客の世界では「やりっぱなし」が一番の失敗のもとです。思うような結果が出なくても、そのデータは「この方法はうまくいかない」という貴重な学びになります。

もし結果が思わしくなければ、その原因を考えて改善策を実行する、この繰り返しが成功への近道です。一度の改善で終わらせず、このサイクルを粘り強く回し続けることで、成果は着実に向上していきます。

自社に合うWeb集客方法の選び方

Web集客_選び方

あなたのビジネスモデルによって、効果的なWeb集客の方法は変わってきます。

BtoB向けのおすすめ施策

企業向けのビジネス(BtoB)では、顧客は時間をかけて情報を集め、論理的に判断する傾向があります。そのため、専門的な情報を提供するコンテンツマーケティングやSEOで、企業の信頼性を高めることが非常に重要になります。

BtoBの顧客は、購入決定までに複数の部署が関わることも少なくありません。そのため、担当者が社内で説明しやすいような、客観的なデータや導入事例をまとめた資料(ホワイトペーパー)が喜ばれます。

時間をかけてじっくりと顧客との関係を築いていく姿勢が求められます。課題解決の相談相手として第一に思い出してもらえるような存在を目指すことが、成功の鍵と言えるでしょう。

BtoC向けのおすすめ施策

一般消費者向けのビジネス(BtoC)では、口コミや共感が購買のきっかけになることが多いです。InstagramなどのSNSマーケティングで親近感を醸成したり、MEOで実店舗への来店を促したりする方法が効果的です。

商品の機能性だけでなく、ブランドの世界観やストーリーに共感してもらうことが購入の後押しになります。写真や動画で商品の魅力を直感的に伝えられるInstagramは、特にアパレルやコスメ、食品などの業界と相性が良いでしょう。

多くの人に知ってもらい、ファンになってもらうための工夫が必要になります。顧客との双方向のコミュニケーションを楽しみ、コミュニティを育てていく視点が大切です。

予算規模から選ぶ

もし、あまり予算をかけられない場合は、コストを抑えて始められるSEOやMEO、SNS運用から着手するのがおすすめです。予算が限られている場合、お金の代わりに時間と労力を投資するという考え方が基本になります。自社でブログ記事を書いたり、SNSを毎日更新したりするのは、まさにその代表例です。

ある程度の予算を確保できるのであれば、Web広告を組み合わせて短期的な成果を狙いつつ、長期的な資産となるSEOなどにも取り組むと良いでしょう。広告で短期的な売上を確保しながら、将来のための種まきを同時に行う、バランスの取れた戦略が理想的です。

Web集客を成功させる3つのポイント

Web集客_ポイント

Web集客を成功に導くために、押さえておきたい大切なポイントを3つ解説します。

複数の施策を組み合わせる

Web集客は、ひとつの方法に頼るのではなく、複数を組み合わせることでより大きな効果が生まれます。それぞれの施策の長所を活かし、短所を補い合うように連携させることが成功の鍵です。

例えば、効果が出るまでに時間がかかるSEOを補うために、即効性のあるWeb広告で短期的なアクセスを確保するといった考え方ができます。また、SNSで発信した内容をきっかけにブログ記事を読んでもらったり、広告で集めた顧客リストにメールマガジンを送ったりと、施策同士が連携することで相乗効果が生まれます。

自社の状況に合わせて、最適な組み合わせを見つけていきましょう。顧客との接点を多角的に持つことで、取りこぼしを防ぎ、ビジネスチャンスを最大化できます。

長期的な視点で取り組む

Web集客の多くは、すぐに結果が出るものではありません。特にSEOやコンテンツマーケティングは、成果を実感できるまでに時間がかかります。

これらの活動は、将来のための着実な土台作りと考えることが重要です。一つ一つの施策が積み重なることで、安定した集客力を持つ強固な基盤が築かれていきます。途中で諦めてしまうと、それまで費やした時間と労力が無駄になってしまうことも少なくありません。

短期的な結果に一喜一憂せず、中長期的な計画のもとで、コツコツと施策を続けていく姿勢が大切です。この地道な努力が、競合他社には真似できない強固な集客基盤を築き上げます。

専門家の知見を活用する

Web集客の世界は変化が速く、専門的な知識も必要になります。もし自社だけで対応するのが難しいと感じたら、外部の専門家の力を借りるのも一つの有効な手段です。

検索エンジンのアルゴリズムは頻繁に更新され、新しいSNSや広告手法も次々と登場するため、最新の情報を追い続けるのは大変です。専門家は、そうした最新の動向や豊富な経験に基づいたノウハウを持っています。専門家のサポートを受けることで、遠回りをせず、より早く、確実に成果へと近づけるでしょう。自社のリソースを本来の事業に集中させるためにも、専門家への相談は有効な投資と言えます。

まとめ

Web集客_まとめ

Web集客は、現代のビジネスにとって欠かせない戦略です。大切なのは、まず自社の目的や顧客を深く理解し、それに合った方法を選んで粘り強く改善を続けていくことです。

この記事を参考に、ぜひ自社のWeb集客の第一歩を踏み出してみてください。

もし、自社に最適なWeb集客の方法が分からない、専門家のサポートが必要だと感じたら、ぜひ一度私たちにご相談ください。貴社のビジネスに合わせた、具体的な次の一歩を一緒に考えさせていただきます。

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この記事を書いた人

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