営業支援システム「SFA」とは?導入メリットや選び方のコツも解説
更新日:2022.09.18 公開日:2022.09.19
マーケティング
SFAとは、「Sales Force Automoation」の略で、日本語では営業支援システムと呼ばれています。
SFAを導入することで、営業活動に関する情報を簡単に管理・共有できるようになります。
社内で顧客情報の共有がうまくできておらず、営業活動の進め方に悩んでいる方もいるのではないでしょうか。
そこで今回の記事では、営業支援システムSFAの基礎知識や導入メリット、選び方のコツなどを詳しく解説していきます。
SFAを導入しようか検討している方は、ぜひ参考にしてください。
目次
SFAとは
前述したように、SFAとは「Sales Force Automation(セールス・フォース・オートメーション)」の略語で、営業活動を自動化・効率化するためのツールです。
日本語では、「営業支援ツール」「営業支援システム」と呼ばれています。
SFAは企業の営業活動における情報をデータ化した上で、分析まですることができるソフトウェアです。
そのため、SFAを導入することによって得られるメリットは多くあります。
SFAを導入するメリット
SFAを導入するメリットは、営業活動を可視化・標準化・効率化できることです。
下記では、主なメリットを3つ詳しく解説します。
営業活動を可視化
SFAを導入するメリットとして、まず1つ目に営業活動の可視化できることが挙げられます。
SFAを導入することで、営業の業務プロセスや案件に関わっているメンバー全員の行動を一目で把握できるようになります。
紙媒体や口頭で営業活動を報告する場合、詳細な情報をリアルタイムで共有することはできません。
日報だけでは、どうしても即時性にかけてしまいます。何らかの問題が発生した場合でも、他のメンバーが把握するまでに時間がかかってしまうでしょう。
しかし、SFAを導入し、営業活動を随時入力しておけば、他メンバーはすぐにその内容を確認することができます。
つまり、営業部の「誰が」「どこで」「どんな活動を行ったのか」をリアルタイムで可視化できる訳です。
営業活動が可視化されることで、現状の課題も把握しやすくなります。
素早く課題解決に向けて行動できるようになるため、業務フローの改善や生産性向上にも繋がります。
営業活動を標準化
2つ目のメリットは、営業活動を標準化できることです。
具体的には、営業活動に関するナレッジやノウハウを共有できるようになります。
これまでの訪問記録や商談情報というような顧客情報を共有することで、顧客の状況やニーズに応じてより的確な営業アプローチが可能です。
また、営業活動で得た情報や事例もしっかり共有しておくと、類似した案件に対するヒントになるかもしれません。
個別にこれらの情報を管理している状態では、個々のスキルに差が出てしまうため、ビジネスチャンス拡大や営業力向上には繋がりづらいです。
営業部メンバー全員に共有することによって、情報資産を最大限に生かせるようになります。
営業活動を効率化
3つ目のメリットは、営業活動を効率化できることです。
例えば、商談を終えたら状況報告や日報を作成するだけのために、わざわざ会社まで戻る必要がなくなります。SFAを導入することによって、スマートフォンやタブレットがあれば、出先からでも入力できるようになるためです。
移動中などに情報入力を行えば、隙間時間の有効活用にも繋がります。
会社に戻ったり、状況報告したりするのに費やしてた時間は、新規顧客の開拓や既存顧客とのコミュニケーションなど、営業部のコア業務に当てられるようになります。
SFAを導入するデメリット
SFAの導入にはメリットだけでなく、デメリットも存在します。
両方をしっかり理解した上で、導入を検討することが大切です。
導入コストとランニングコスト
SFAを導入するデメリットとして、まず1つ目に導入コストとランニングコストがかかることが挙げられます。
SFAは基本的に月額料金という料金形態でコストが発生します。
一口にSFAと言っても種類は様々で、種類によって料金も異なります。
また、同じシステムであっても、既存システムとの連携やカスタマイズなどで、導入コストが高額になるケースは少なくありません。SFAを導入する際は、費用対効果を考慮して選ぶことが大切です。
使わない機能が多く搭載されていると、その分コストの無駄に繋がります。
SFAを導入する前に営業活動における課題を明確にし、必要な機能を決めておくと良いでしょう。
無料トライアルを実施しているSFAも多く、選定する際の判断材料となります。
操作方法などの研修が必要
SFAを導入する際は、操作方法などの研修が不可欠です。
研修をしっかり行わないと、導入したのにも関わらず使われなくなる可能性があります。
また、SFA導入前よりも1つの作業に時間がかかってしまう恐れもあるでしょう。
そのため、営業マネージャーはベンダーから運用のアドバイスを受けながら、営業メンバーを教育することが大切です。営業メンバーと言っても、様々な世代の人がいます。
デジタルに慣れている若い世代の人は、ある程度研修を受ければ使いこなせます。
しかし、世代によってはアナログに慣れている人も多いため、便利機能が搭載されているSFAを使いこなせる人とそうでない人の差が出やすいです。
導入後の混乱を未然に防ぐためにも、研修だけでなく、サポートもしっかりするようにしましょう。
入力作業が増える
SFAの導入後、営業活動をしていく上で随時状況を入力する作業が発生します。
これまでデータを記録していなかった場合、一気に入力作業が増えるため、営業メンバーの負担に繋がりやすいです。入力する項目が多いほど詳細に分析できますが、入力作業に時間がかかり、作業効率が落ちてしまいます。
SFAを活用するためには、どの情報まで入力項目に設定するかを検討しましょう。
あまりにも多いと、営業メンバーの入力作業が追いつかず、使われなくなるリスクが高まるため注意が必要です。
SFA導入で得られる機能5選
SFAには様々な機能が搭載されていますが、中でも主な機能を5つ紹介します。
種類によって機能が異なるため、導入前に必要な機能を明確にしておくことが大切です。
1.【顧客管理機能】顧客管理で利益増
まず1つ目は、顧客に関する詳細な情報を管理できる機能です。
顧客管理機能では、下記のような顧客情報を管理することができます。
- 企業名や所在地
- 電話番号
- 担当者名
- 商談履歴 など
名刺を自動取り込みできるSFAや名刺管理ツールと連携可能なSFAを選べば、入力する手間やミスをなくすことができます。
営業担当が不在の時に顧客から取り急ぎの電話が入っても心配ありません。
SFAで顧客情報を確認できるため、担当者以外でもスムーズな顧客対応が可能です。
また、営業部で顧客情報を共有するため、営業メンバーの異動や退職、担当者変更などがあった場合でも、しっかり情報を引き継ぐことができます。
2.【行動管理機能】営業行動の管理でコスト削減
2つ目は、日々の営業活動を管理できる機能です。
数値化する営業プロセスとして、下記のような項目が挙げられます。
- コール数
- アポイント数
- 訪問数
- 受注数
- 利益率 など
売上といった最終目標ではなく、最終目標を達成するために必要なプロセスです。
営業マネージャーがSFAで一人一人の営業活動を把握すれば、成績の良い営業メンバーとそうでない営業メンバーの行動を定量的に比較できるため、営業活動に潜んでいる課題の抽出・改善にも繋がります。
3.【案件管理機能】案件状況を把握してトラブル防止
3つ目は、営業案件に関する詳細な情報を管理できる機能です。
管理する情報として、下記の項目が挙げられます。
- 営業先企業名
- 担当者名
- 提案商品・サービス
- 進捗状況(営業フェーズ)
- 受注見込み(ランク・確率) など
案件管理機能では、営業マネージャーが個々の案件状況を把握し、必要に応じて営業メンバーにアドバイスすることもできます。
また、営業会議で案件をチェックする時も、素早く対応できるようになるため大変便利です。
4.【商談管理機能】商談の進捗確認ができる
4つ目は、商談に関する詳細な情報を管理できる機能です。
管理する項目として、下記のような項目が挙げられます。
- 商談履歴や商談目的
- 商談時間
- 商談相手(担当者名)
- 決済者名
- 進捗状況
- 次回アクション予定 など
商談管理機能では、営業マネージャーが個々の商談経緯や進捗を把握し、適切なアドバイスやフォローができるようになります。
また、成績の良い営業メンバーはどんな提案書を作成しているのか、どのタイミングでクロージングしているのかなど、営業ナレッジも共有できるため、営業部のレベルアップにも繋がりやすいです。
5.【その他便利機能】予算管理やデータ分析
SFAには上記で紹介した機能以外にも、予算管理やデータ分析など営業の効率化に繋がる便利機能が多くあります。便利機能の一例は以下の通りです。
・スケジュール管理
スケジュール管理はスケジュールを入力すると同時に、顧客情報も参照できる機能です。
また、営業活動の進捗やコメントを書き込んだり、提案書や見積書などの資料を紐づけたりすることもできます。
・アラート管理
アラート管理とは、営業活動で次にするべきアクションを適切なタイミングで知らせてくれる機能です。
対応漏れや遅延防止に繋がります。
・TODO管理(タスク管理)
TODO管理とは、するべき仕事をリストアップできる機能です。
仕事の優先順位が明確になるため、より効率的に営業活動を進められるようになります。
・日報・週報の活動報告
営業日報・週報を作成できる機能です。
簡単な操作だけなので、ノンコア業務に費やす時間を削減できます。
・分析・集計レポート
様々なセグメントでレポートを作成できる機能です。
必要なデータのみ簡単に抽出してレポートを作成できるため、資料編集に費やす時間を削減できます。
・見積書の作成・ワークフォロー
見積書を作成したり、見積書承認などのワークフロー申請ができたりする機能です。
SFAに見積書のテンプレートを登録しておくことで、より効率的に見積書を作成することができます。
SFAの選び方で営業効率の差が出る
上記でも前述したように、一口にSFAと言っても種類は様々です。
そのため、自社の課題解決に繋がるSFAを選ぶ必要があります。
SFAを選ぶ時は、特に「機能」「サポート」「使い勝手」の3つが重要です。
求めている必要な機能があるのか
SFAには上記で解説したように、様々な機能が搭載されています。
搭載されている機能によって価格が異なるため、自社に必要な機能を明確にしておく必要があります。
必ずしも多くの機能が搭載されている製品が良いとは限りません。
「せっかくSFAを導入するなら、高機能のものを選びたい」という気持ちはわかりますが、使わない機能が搭載されている製品を導入しても、手持ち無沙汰になるだけです。
安いからといって性能が悪くなる訳ではないので、機能に対して価格は適正であるか、しっかり費用対効果を見極めましょう。
また、営業担当は外出することが多いため、スマホやタブレットに対応している製品を選ぶことも大切です。
サポートの手厚さが重要
SFAは導入後が最も重要です。
そのため、製品を選ぶ際は、サポートやアフターフォローをしてもらえるかどうかを必ず確認しましょう。特に初めてSFAを導入する場合は、ベンダーのサポートなしで社内に定着させるのは困難です。
また、困った時のサポート窓口があるベンダーだと安心できます。
24時間365日体制であればベストですが、自社の稼働時間を大半カバーしているところがおすすめです。
お問い合わせ方法はメール、チャット、電話など、ベンダーによって異なります。
使い勝手を比較する
SFAを活用するためには、使いやすいSFAを選ぶ必要があります。
営業メンバーは日々の営業活動を毎日入力しなければなりません。使い勝手の悪い製品だと、作業効率の低下に繋がる可能性が高いです。
また、導入しても営業部に定着せず失敗に終わってしまう事例も珍しくありません。
機能やサポート、価格が製品を選ぶ際に重要視されがちですが、営業メンバーが使いやすいと感じるかどうかも重要なポイントです。
ほとんどの製品は、「何週間お試し体験」というような無料で利用できるサービスを提供しているので、実際に利用してから使い勝手を比較しましょう。
SFA導入を成功に繋げるコツ
SFAを導入したものの、結局使わなくなってしまったという企業は少なくありません。
ただ単にSFAを導入するだけでは、失敗するリスクが高いです。
そのため、下記のコツを押さえながらSFAを導入する必要があります。
なぜ導入するかを明確に
SFAを導入する際は、営業メンバーに対して導入する目的を明確にすることが大切です。
その理由として、営業メンバーの多くは、自分自身の勘や経験に頼った営業活動を行ってきたことが挙げられます。
自分の営業スタイルを個々に持っているため、営業活動のシステム化に抵抗を感じる人は多くいます。
この問題を解消するためにも、SFA導入の目的や効果を営業メンバーにしっかり共有し、あらかじめ理解を得ておくことが重要です。
SFAを導入する最終的な決定権は上層部にありますが、実際に使うのは営業メンバーです。
SFAを導入することによって、入力作業が増えたり、慣れるまでに時間がかかったりするなど、営業メンバーの負担は確実に増えます。
営業メンバーがSFAの必要性を感じられなければ、定着しないまま終わってしまうので、必要な情報は必ず共有しておきましょう。
導入のメリットデメリットを社内でしっかり共有
SFAを導入する際は、メリット・デメリットをしっかり社内で共有することが大切です。
これらを事前に共有しておかないと、導入してもSFAが定着しないまま終わってしまう可能性があります。
そのため、SFA導入の目的に加えて、どんな効果が期待できるのかも事前に共有しておく必要があります。導入するメリットを営業メンバーが理解できれば、自発的に使ってくれる可能性も高まるでしょう。
また、メリットだけでなく、デメリットもしっかり共有しておくことも大切です。
デメリットを共有しないままSFAを導入すると、「実際に聞いてた話と違う」と営業メンバーの不満に繋がります。
SFA導入が従業員のモチベーション低下の原因になっては意味がありません。
メリット・デメリットの両方をしっかり共有しましょう。
マネージャークラスは迅速なレスポンスを
SFAを導入することによって、営業メンバーの負担が大きくなるケースは少なくありません。
しかし、導入によって負担がより大きくなるのは、営業メンバーよりも営業マネージャーと言えます。
営業メンバーごとに日々の営業活動に関する情報が多数寄せられるので、しっかり対応しなければ導入失敗に繋がる可能性が高まります。営業メンバーが入力作業を怠った際に、マネージャーが何も言わなければ負のサイクルが生まれるでしょう。
いつの間にか誰もSFAを使わなくなったというケースを避けるためにも、マネージャーは各営業メンバーに対して、「◯日以内にレスポンスする」と明確なルールを設けることも大切です。
迅速なレスポンスが望ましいので、マネージャーも対応を怠らないようにしましょう。
既存システムの概念は捨てる
SFAを新規で導入する際は、既存システムを捨てることも大切です。
既存システムをそのままにすると、SFAの導入が失敗に終わる可能性が高まります。
新しいシステムを導入するのであれば、捨てるべきシステムが出てくるのは当然のことです。
例えば、別のシステムなどで管理している情報は、可能な限りSFAには登録しないようにすることが挙げられます。情報が重複すると無駄に情報量が多くなるだけでなく、入力作業の負担も増えてしまうからです。
また、SFAに統合できる情報は積極的に一元化するようにしましょう。
SFAを営業部で浸透させるためにも、既存システムの概念を捨てさせることが大切です。
既存システムの概念を捨てなければ、使い慣れたシステムを継続して利用するメンバーが増えてしまい、定着しないまま終わる可能性があります。
営業会議でも積極的にSFAを活用し、SFAがなければ営業会議が成り立たない状態を作ると、営業部でSFAが定着しやすくなります。
SFAとCRM・MAの違い
SFAと混同されがちなものに、CRMとMAがあります。
下記では、それぞれの違いを詳しく解説します。
SFAとCRMの違い
CRMとは、「Customer Relationship Management(カスタマー・リレーションシップ・マネジメント)」の略で、日本語では「顧客管理」や「顧客関係管理」と呼ばれています。
CRMは、顧客の氏名や年齢、属性といった基本情報から、購買履歴などの情報まで顧客に関わる情報を一元管理できるシステムです。
CRMを導入することによって、CRM上に蓄積した情報をもとに、マーケティングやサポートなどを行えるようになります。
営業プロセスの中で、SFAは「商談から受注」まで担うのに対し、CRMは「受注以降に発生する顧客とのコミュニケーション」が主な役割です。この点が両者の大きな違いと言えます。
また、SFAは見込み顧客への営業アプローチを仕掛けるのが目的に対して、CRMは顧客との関係を強化するための仕掛けを導き出すのが目的です。
SFAとCRMは一見同じように思えますが、役割が大きく異なります。
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SFAとMAの違い
MAとは、「MArketing Automation(マーケティング・オートメーション)」の略で、顧客獲得や育成のために必要なマーケティング活動を自動化できるシステムのことです。
そのため、マーケティング部門で多く活用されています。
MAを導入することによって、ユーザーを効率的に獲得し、顧客の見込み度合いに合わせて自動でアプローチできるようになります。また、見込み度合いが高まった状態で営業メンバーに引き継ぐことにより、営業効率が最大化されることも魅力の一つです。
SFAは見込み顧客を獲得してから発生する営業活動を効率化するためのシステムであるのに対して、MAは質の高い見込み顧客を獲得するためのシステムです。この点が両者の大きな違いと言えます。
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まとめ
今回は、SFAの定義や導入するメリット・デメリット、成功に繋げるコツなどを詳しく解説しました。SFAとは、営業活動における情報を一元管理するためのシステムです。導入することによって、営業プロセスの効率化や営業部のスキルアップなどに繋がります。
しかし、導入すれば必ず効率化する訳ではありません。
本記事で解説したコツを押さえて導入することが、成功に繋げるポイントです。
また、一口にSFAと言っても、様々な種類があるため、自社の課題解決に繋がる製品を選ぶことも大切です。
ほとんどの製品がお試し利用期間を設けているので、実際に使ってみてから使い勝手を比較してみましょう。
ウェブサークルでは、SFA導入をサポートさせていただきますので、ご相談だけでもお気軽にお問い合わせください。